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コロナ禍で進化する飲食店のデジタル活用

2020年5月25日

新型コロナで様変わりした外食需要

新型コロナ(COVID-19)の深刻化で生活習慣が根本から変わってしまいました。感染者を増やさないために、人と距離をおくことが社会的な要請になり、ソーシャルデスタンスが生活の基本になったからです。

外出自粛要請でリアル店舗からは客足が遠のき、巣ごもり生活の長期化でインターネットが日常生活に食い込んできています。コロナ禍はまだまだ続きますし、家に閉じこもることが前提の経済はすでに走り始めていますから、もはや、ちょっと前までのあたりまえな生活に戻れるとは思えません。

感染対策として様々な分野でオンライン化が急がれたために、リモートサービスやオンデマンドコンテンツの利用が身近になりました。オンライン慣れで変化するライフスタイルに対して、アナログ接客が前提ゆえにデジタル化がむずかしいとされていた飲食業界も、真剣にデジタル技術とネットワーク技術に向き合わざるを得なくなっているのです。

これからも新型コロナ対応によって通信技術でモノをつなぐIoT技術が進化するでしょうし、人々もネット上での非接触コミュニケーションに慣れ、特別定額給付金のもたもたで国としてのデジタル後進性が明白になりましたから、新しい社会生活に向けたデジタル化やネットワーク化が急がれるはずです。

店舗運営でのデジタル対応は社会的要請であり、加えて、休業の間にホームページやSNSに力を入れるお店が急増したために、ネット集客の新たなしくみづくりが飲食店のこれからの課題でしょう。

新型コロナ対策としてのデジタル導入

5月14日にJFなどが発表した「外食業の事業継続のためのガイドライン」から、飲食店のデジタル化を考えてみました。

店舗入口に発熱や咳などの異常が認められる場合には店内飲食をお断りさせていただく旨の掲示をすることは、感染症対策への取り組みを告知する意味もあり、安心して食事ができる安心感にもつながります。より積極的に体温異常を感知するためには入口への赤外線サーマルカメラの設置が考えられますし、感染者の体温異常を見逃した場合には政府主導で開発が進むコンタクトトレーシングアプリが、いざというときに接触履歴を追跡できますから、早期に普及すればお店の危機管理として安心を担保する手段になりそうです。

ソーシャルデスタンス対策では店内の客数コントロールが有効になります。大箱のお店であれば入口での通過人数カウンター設置や密集度確認システムの活用で入店制限を検討する必要があるのでしょうが、目視で客数を管理できる規模であれば満席率の工夫でコントロールできるはずです。入店数制限が必須と考えれば、これまで予約を受けつけていなかった店が予約システムの導入を検討するチャンスになるのかもしれません。客席への収容人数だけではなく、行列のできる店ではウエイティング対策としても必要になるので、飲食店に事前予約を定着させるよい機会になりそうです。

客席ではメニューブックを見直す必要があります。多くの人が手を触れる従来型のメニューブックでは接触感染しかねません。テーブルトップのセルフオーダーシステムは、紙製のメニューブックよりはマシですが非接触にはなりませんから、お客様が入れ替わるたびに消毒する必要があります。したがってお品書きスタイルで使い捨てできるような簡易なプリント印刷にするか、将来を見すえてメニューアプリを用意しておき、QRコードで読み込んでお客様のスマホから注文できるようにすると安全性が高まります。その場合にはスマホの持参がないお客様用に貸出用タブレットを若干数用意しておく必要があるかもしれません。

お会計では、感染の受け渡し媒体になりかねない金銭やクレジットカードの直接授受を、できるだけなくす工夫が求められます。2019年の軽減税率で導入店が増えたQRコード決済などのキャッスレス化はさらに定着していくものと思いますし、ファインダイニング業態などハイグレードなお店ではネット予約にオンライン決済を組み込むことも考えられそうです。

※弊社クライアントに向けて作成したPDF資料があります。緊急事態への対応ですので、ご入用の方は飲食店に限りeメールに添付してお送りしますのでご連絡ください。
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